「人身得ること難し、仏法値(お)うこと希(まれ)なり」
「修証義」というお経の一節です。さらに「己に受け難き人身を受けたるのみに非ず、遇い難き仏法に値(あ)い奉れり」と続きます。人間に生を受けることは得難く、仏法を聴くことも滅多にないことであります。私たちは人間に生まれただけでなく、滅多に遇えない仏法に巡り合えているということです。
仏法、仏の教え、つまり仏教を説かれたお釈迦様は今から二千五百年ほど前、北インド(現在のネパール)に王族の子としてお生まれになりました。結婚し一児も得ましたが、人間の苦悩(生・老・病・死)の問題を解決すべく、29歳の時に一切を棄てて出家し、6年間の苦行、修行の後、35歳の時菩提樹の下で悟り、仏陀(真理に目覚めた人)となられました。その後、45年間各地で説法を続けられ、80才で入滅(逝去)されました。
この後、インドにアショーカという王様が現れ、仏教を更に広めました。タイ、カンボジア、スリランカなど南アジアにも伝わり、そして中国、朝鮮半島を経てこの日本にも伝わって、今日に至っています。
二千五百年という、紀元前に説かれた仏教は、分裂し部派に分かれ、また、インドの外の地にも伝わり、そこでも様々な宗派ができ、その中の一つ、曹洞宗を受け継いで私たちは今ここにいるのです。
この長い歴史を思い、そして「遇い難き仏法」に遇うことができた、このご縁に感謝しましょう。
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