曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)
たのしみ法話
たのしみ法話

食事のありがたさ []

三重 仙寿院 住職 浦野将志 老師

私達はご飯を頂く時に手を合わせて「いただきます」と言います。さて、頂きますとはいったい何に対して言っているのでしょうか。
私達僧侶は修行中、食事の場でのおしゃべりは一切禁止されております。なるべく音を立てないように器はひとつひとつ必ず両手でとり、それぞれの食材を丁寧に味わいながらいただくのです。
なぜなら、食べ物と真剣に向き合い、感謝をし、私達の命を繋ぐ食事に携わる全ての人や物にも感謝をする為です。
また、全ての食材は食べられる為に生まれてきたわけではありません。「いただきます」とは命を頂くことなのです。
野菜やお米を作っている農家の方、それを運んでくれる運転手の方や仕入れの為に市場で働く方々。そして料理をしてくれる方や、それを給仕してくれる方。沢山の方々のおかげで私達の目の前に美味しい食事が出来上がっているのです。ですから、食事を頂く際には全てに感謝して「いただきます」と手を合わせて言いましょう。私もそうですが、現代社会の中ではついつい急いで食事を済ませてしまい、ゆっくり食べられない時があります。しかし感謝をして食事をいただく為に日頃から心がけて「いただきます」と言葉にするのです。
たとえ短い時間でも、家族や友人といただく食事は、とても美味しく楽しいと思います。忙しい日常の中でも、改めて目の前にある食事に想いを巡らせ感謝をしましょう。そして食事を頂くことができるありがたさを感じながら、まずは一家団欒されてみてはいかがでしょうか。

| top | 前のお言葉 | 406 | 407 | 408 | 409 | 410 | 411 | 412 | 413 | 414 | 415 | 416 | 417 | 418 | 419 | 420 | 次のお言葉 |