私には五歳になる双子の子どもがいまして、しかも男と女の児。実はこの子供たちと一緒に毎晩行う儀式があります。
それは、寝る前に本堂の戸締りや火の始末を点検した後に、ご本尊さまの前で手を合わせ、「今日も一日ありがとうございました。明日もよろしくお願いします。頑張ります。」といって礼拝をするんです。この儀式を子供たちは「点検」と言って日課にしています。
これは、別に私の方から強制したわけではありません。事の発端は、私の母親が、寝る前に合掌しながら先ほどと同じことを言っていたのを子どもたちが真似をして、ご本尊様の前で行うようになったというわけです。たまに点検の時間が少し遅くなったりすると、「パパ、点検へ行くよ。」と子どもの芳から催促されるほど、私たちにとっては、歯を磨くことのように生活の一部になっています。
親という字は、「木の上に立って、子供を見ていてくれる人」というのは俗説で、本当は、「位牌を子どもが見ている姿」だそうです。そこから「したしむ」という言い方も生まれました。
奇しくもこの儀式を「点検」と我々家族は言っていますが、そのおかげで、仏さま、ご先祖様に手を合わせ、その日あった出来事一つひとつを点検し反省することができるようになりました。
また、毎日手を合わせる子供たちにとっては、仏さま、ご先祖様を身近な存在だと感じる、要するに「親しむ」ことができるようになるのだと思います。
今回「点検」の儀式を行うことで、毎日手を合わせることの大切さを子どもたちに改めて教わったような気がします。
| top
| 前のお言葉
| 376
| 377
| 378
| 379
| 380
| 381
| 382
| 383
| 384
| 385
| 386
| 387
| 388
| 389
| 390
| 次のお言葉
|