こんにちは。今回は、無常についておはなしさせていただきます。お釈迦様が、お亡くなりになる前に弟子たちにお説きになった「
遺教経」というお経の中にこんな一説がございます。「世は皆無常なり、會うものは必ず離るることあり、憂悩を懐くこと勿れ、世相是の如し」と。私共人間は、この世にご縁を頂いて生まれそしていろいろな方に出会い共に生き、そして最後にどんなに最愛の方でもお別れをしなければなりません。このことは、
皆様もすでにご承知のことと存じます。しかし、無常ということを悟られるタイミングは人によって違うと思います。曹洞宗をお開きになられた道元禅師の書き記された書物の中に「正法眼蔵」という書物が御座います。その中の「四馬の巻」で四頭の馬に例えて無常を考察しているところが御座います。第一の馬は、鞭の影を見て走る馬(他村の人の「死」を聞いて自分の無常を悟る人)。第二の馬は、鞭が毛に触れて走る馬(近所の人の死を聞いて自分の無常を悟る人)。第三の馬は、鞭が皮膚に触れて走る馬(親族の死を聞いて自分の無常を悟る人)。第四の馬は、鞭が骨に食い込んで初めて走る馬(自分の死を感じてやっと悟る人)。私共人間は、大自然の中で、いろいろなご縁を頂いて生かされております。先ほどお話しさせていただいたどのタイミングで無常ということ悟られるかは、個人差が御座いますのでこの無常ということに気づかれた時には露のように儚い命と知って今まで以上にご自身の生き方を大切にされるのではないでしょうか。そして、ご縁を頂いたご先祖様に対しても自ずと感謝、愛情の気持ちが溢れいいご供養ができることと存じます。
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