お檀家さんに、京都出身の女性の方がいらっしゃいまして、京都弁で とてもよく元気にしゃべる方で、「お経さん あげてもらわな」とか「お経さん お経さん」と、お経のことをさん付けで呼ぶのは、なじみのない言葉でしたが、彼女の優しさもあってか、とても心地よく、お経が さらにありがたいような気がするのも 事実でありました。
関西では 他にも、仏さん 神さん、ありがとさん、おめでとさん など、何かに さん付けで呼ぶのは、戦国時代から定着しており、敬意の表れだそうであります。
お寺では、薬師如来さまのご祈祷が 毎月11日に行われておりまして、ご近所の子供たちと親を中心に、おじいさん おばあさん方も集まるのですが、そちらの法要は、皆様から「おやくしさん」と呼ばれております。子供たちにとっては、法要が終わったあとに お菓子を配るのが目当てでしょうが、なかなか 親しまれている行事であります。
つい最近 、犬を飼うことになりまして、黒柴という種類の犬なのですが、本堂正面は一面 芝生になっておりまして、天気のいい時だけ、犬の苦手な方に配慮して、その芝生の脇の方につないで 遊ばせることにしたのですが、この犬がまったく思いがけないくらい 反響がありまして、いつもは 表情があまり表に出ない ものすごく おとなしいと思っていた、お檀家さんの高校生の男の子が、見たこともない笑顔で 犬をだっこしていたのには、ほんとうに びっくりしました。この子とも、犬をきっかけに、いいコミュニケーションが図れそうです。
厳粛な法要だけの機会ですと、なかなか いきいきとした表情を見ることができない方も多いので、このような笑顔を見ることが出来たことは、心の底からうれしいものです。
誰家無明月清風(たがいえにかめいげつせいふうなからん)
清らかな風は誰の家にも吹き、仏さまの心は誰にでも宿るという禅の言葉がございますが、皆様に すてきな風が吹き、たくさんの笑顔がおとずれます様、お祈り申し上げます。
| top
| 前のお言葉
| 346
| 347
| 348
| 349
| 350
| 351
| 352
| 353
| 354
| 355
| 356
| 357
| 358
| 359
| 360
| 次のお言葉
|