お年忌の席にて、そわそわしているお母さんがいらっしゃいます。そんなお母さんと私の会話です。
「和尚さん、これで大丈夫ですか」目の先には、きれいにお供えして下さったお仏壇があります。私の手の行き先が気になるようで、ジ−ッと見つめるお母さんの熱い視線を感じながら「ここはこうして、それとお膳はこうして」とお伝えします。
お母さんは、「あぁ、この前和尚さんに聞いたばかりだったのに、また間違えちゃった。」一生懸命に準備して下さったお母さん。本当に残念がっていました。
さて皆さん。これで終わってしまったらどうでしょうか。何か大事なものを忘れていると思いませんか。
この、お母さんは決して形だけにこだわる方ではありません。仏さま、ご先祖さまと向き合い、いつも感謝の気持ちを忘れずに、しっかりと手をあわす自分でいたいと信念をもっておっとめ下さっています。私はそんなお母さんに、「完璧をもとめたら疲れちゃうよ。」と、お話しするのですが、お母さんは笑顔で「大丈夫」ただ、それだけです。ご供養にも様々あります。何が正しく、何が間違いではありません。私はいつも心がけている事があります。それは、「楽に、簡単に、ただ末永く」です。「楽に、簡単に、ただ末永く」
楽にとは、むずかしく考えずに心を楽にして下さい。
簡単にとは、あれもこれもと頑張りすぎて準備に満足して気持ちがどこかへ行ってしまう。これではいけません。適宜にするという意味です。
ただ末永くとは、毎日毎日の繰り返しです。
お檀家のお母さんは今日も変わらずおっとめ下さっています。
是非、形だけにとらわれない、心崖を大事にお過ごし下さい。
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