曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

長い箸の話 []

愛知 慈眼寺 副住職 槇英心 師 

皆さんは、『長い箸』の話をご存知でしょうか。
昔とある男が閻魔さんに頼んであの世を見せてもらったところ、地獄にいる人は皆手に長い箸をくくりつけられており、遠くのご飯を取って食べようとしても長すぎて自分の口へ運べず落としてばかり。そのため地獄にいる人たちはみなお腹をすかせて痩せていました。
 男が次に天国を覗くと、そちらではみんながお互いに長い箸でご飯を食べさせあっていたので、皆飢えることなく幸せそうだった、というお話です。
お互いを助け合う事の大切さを表したお話ですね。
2018年は台風や地震などの大きな災害が続きました。今現在も、各被災地では苦労をされている方々がおり、またボランティアや復興作業をしている人々の活動を報道等でよく目にします。
修証義というお経に「治生産業、もとより布施にあらざることなし」という言葉がありますが、例え自分が生活をしていくための仕事でも、それらはもともと世のため人のための行いである、という意味です。被災地などで働いている方々を見ますと、本当にそうだなぁと思います。
目に見える形でも目に見えない形でも、我々は皆いつも誰かと助け合って生きています。お互いに長い箸の精神を忘れずに生活していきましょう。

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