曹洞宗 東海管区 教化センター(禅センター)

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たのしみ法話
たのしみ法話

松樹千年翠 []

三重 祥雲寺 廣賞佳 師 

松の葉は夏の猛暑や冬の吹雪のなかでも耐えて春には新しい芽をふき、古い葉は枯れ散っていきます。
更に季節は流れ千年の長い歳月を経ても、少しもその色を変えない松の美しさ生命力を讃えた禅語です。

さて、約百年前1918年に世界中で流行したスペイン風邪では全世界で約4,000万人、日本でも約38万人の死亡者が出たそうです。
また、1995年に発生した阪神・淡路大震災。2011年に発生した東日本大震災。それらが発生した前にも後にも全国では地震や風水害など様々な災害が起きています。
そして、2020年今まさにウィルスの蔓延により世界規模でたくさんの死亡者が出ております。我々人類は災害などが起こる都度、生活様式を大きく変えてきました。

私たちは変化の激しい世の中を生きています。その中では人の心は変わりやすく他者の言葉や行動並びに、社会の情報に影響を受けやすいものです。それ故に変化を受け入れられずに悩みまた騙されて苦しむことがあります。

『松樹千年翠』。私たちは松のように常に変化し続けながらも本質は変化せず、千年の長い歳月を経ても緑を保ち続ける姿のように、普段から足元を見て日々の行いをおろそかにせず、大事なものは特別な場所ではなく自分のすぐそばに既にあることを自覚し、時代の流行や社会の情勢に流されることのない強く揺るぎのない心を大切にしたいものです。

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