お釈迦様がお亡くなりになる前に遺された最後の教えである『遺教経』の中に「少水の常に流れて、則ち能く石を穿つが如し」という一節があります。これは「雨垂れの様にわずかな水でも、石の上に長い時間をかけて落ち続ければ穴をあけるように、少しずつでも努力をし続ければそれは必ず形になる」という事の例えで、続ける事、積み重ねる事の大切さを説いたものです。
私は永平寺での修行中に、同じように続ける事の大切さを説いた「学んだ事を一日真似したら一日の真似。それを一生真似し続けたら、それはもう本物だ。」という教えに出会い、戸の開け閉めの時の手の添え方や、人への接し方など、ちょっとしたことでも真似し続けてみる事を心掛けました。その習慣は十年以上経った今でも自分の中に生きています。
皆さんも日々の生活の中で、このように続ける事の大切さを感じる事があるのではないでしょうか?
このお話が、皆さんが「続ける事の大切さ」について今一度考えるきっかけの一つとなれば幸いです。
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