「これは心ばかりのものですが」なにか贈り物をするときなどに我々日本人がよく使う常套句です。また「ほんの気持ちです」と言ったりもしますよね。「大したものではないですが」という謙遜を含む言い回しですが、「心ばかり」とは心の一部をわずかに表に出しました、という意味だそうです。そう言われると目に見えない心というものを形にして表しましたよ、という大変ありがたい行いの様に思えます。
先日お寺である方の一周忌を執り行った時にこんなことがありました。
私の地域では年忌法要の際に故人の方の家族がご飯やおかずを作ってお寺に持ってきます。そしてそれらをお膳に移し替えお供えしているのですが、その日家族の方が持ってこられたのは大盛のご飯とたくさんのおかず、いつもの倍くらいの量だったのです。思わず「いつもよりも多くないですか」と聞くと、家族の方は「あの人食いしん坊だったから」と答えられました。それを聞いて私はとても温かい気持ちになりました。きっとそのご家族は亡くなられた方を想う気持ちをお膳という形に表してお供えされたのでしょう。誰かのことを考え思う時が人生で最も優しい時間なのだそうです。その時間はまるでお釈迦様の慈悲の心のような優しさなのかもしれません。
みなさんも誰かを想う優しい時間を心ばかりですが過ごしいただけたらと思います。
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